千載和歌集
(せんざいわかしゅう) 
 

1188年
 

1288首



後白河院
(ごしらかわいん)

●平家一門の全盛期から都落ち、滅亡という平安末期の乱世を背景として成立した第7番目の勅撰集、20巻。
●「金葉集」「詞花集」の10巻から、「古今集」から「後拾遺集」の伝統に戻した部立としました。
●四季・恋をそれぞれの柱とし、「哀傷・賀」「釈教・神祇」を巻末において前半後半を対照的に扱った二部構成で、それまでの勅撰集の中でも統一感のある歌集に仕上がっています。
●一条天皇の代以降の歌から選びましたが、入集の多い歌人は、74番・源俊頼(52首)、83番・藤原俊成(36首)、75番・藤原基俊(26首)、77番・崇徳院(23首)、56番・和泉式部(21首)、82番・動因法師と84番・84番・藤原清輔(20首)です。
●「古今集」以来の伝統を守る一方、世相を反映した歌、僧侶歌の多さが宗教的性格を与えています。
●流麗(りゅうれい)な声調で、素直な構成の歌が多いのが特徴です。
●なお、源氏に敗れた平氏の公達の歌は「読人知らず」として入集させています。
●俊成の歌風である「幽玄」を重んじてまとめられた作風は後の「新古今和歌集」に影響を与えました。
 


藤原俊成

百人一首に納められた和歌 (全15首)