風の和歌  
  百人一首の和歌の中で、風を歌に盛り込んでいるものを集めました。全部で10首あります。そのうち秋の和歌が8首と多く、世の移り変わりやさびしさを表現する歌が多いようです。


和歌 歌人 出典 キーワード
あまつ風 雲のかよひ路 吹きとぢよ をとめの姿 しばしとどめむ 僧正遍昭(そうじょうへんじょう)
816年~890年
「古今集」雑上・872 あまつ風
吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ   文屋康秀(ふんやのやすひで)
生没年不明 
「古今集」秋下・249  山風 
山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ もみぢなりけり 春道列樹(はるみちのつらき
)生年不祥~920年
「古今集」秋下・303
白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける  文屋朝康(ふんやのあさやす)
生没年未詳、9~10世紀 
「後撰集」秋・308 
あらし吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の にしきなりけり  能因法師(のういんほうし)
988年~1050年頃 
「後拾遺集」秋・366  あらし 
夕されば 門田の稲葉 おとづれて 芦のまろやに 秋風ぞ吹く 大納言経信(だいなごんつねのぶ)1016年~1097年  「金葉集」秋・183 秋風
うかりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを 源俊頼朝臣(みなもとのとしよりあそん)1055年~1129年  「千載集」恋・707  山おろし
秋風に たなびく雲の たえ間より もれ出づる月の 影のさやけさ 左京大夫顕輔(さきょうのだいぶあきすけ)1090年~1155年  「新古今集」秋・413 秋風
み吉野の 山の秋風 小夜ふけて ふるさと寒く 衣うつなり 参議雅経(さんぎまさつね)
1170年~1221年 
「新古今集」秋・483 秋風
風そよぐ ならの小川の 夕暮は みそぎぞ夏の しるしなりける 従二位家隆(じゅにいいえたか)1158年~1237年  「新勅撰集」夏・192