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以前から噂に聞いて興味を持っていた二堂が開帳された。経堂は藤原三代将軍の像を残していて、光堂は三代の棺を納め、三尊の仏を安置している。七宝は今では散り失せてしまって、珠玉に彩られた扉は風によっていたみ、金箔に彩られた柱は霜や雪で腐って、もはやだめになり、何もない草むらとなるはずのところが、堂の四面を新しく囲んで、屋根を甍でふいて風雨をしのいでいる。こうしてしばらくは千年ほども遠い昔の記念とはなっているのだ。
五月雨の降りのこしてや光堂
<長い間、さすがの五月雨も降りのこしたのであろうか。この光堂はその名のとおり、燦然と輝いているよ。>
※ 現代語訳 土屋博映中継出版「『奥の細道が面白いほどわかる本 」中経出版の超訳より |