平 泉
陰暦  5月13日
(6月29日)
 三代の栄耀一睡の中にして、大門の跡は一里こなたにあり。秀衡が跡は田野に成りて、金鶏山のみ形を残す。先づ高館にのぼれば、北上川南部より流るる大河なり。衣川は和泉が城をめぐりて、高館の下にて大河に落ち入る。泰衡等が旧跡は、衣が関を隔てて、南部口をさしかため、夷をふせぐと見えたり。さても義臣すぐつてこの城にこもり、功名一時の叢となる。「国破れて山河あり、城春にして草青みたり」と、笠うち敷きて、時のうつるまで涙を落し侍りぬ。
      夏草や兵どもが夢の跡
      卯の花に兼房みゆる白毛かな 曾良

 朗 読


止
夏草や 兵どもが 夢の跡
なつくさや つわものどもが ゆめのあと

卯の花に 兼房見ゆる 白毛かな(曾良)
うのはなに かねふさみゆる しらがかな (そら)
 藤原三代の栄華も、一睡の夢の間であって、往時の大門の跡は一里手前に残っている。秀衡の館の跡は田や野原になってしまって、金鶏山だけが形をとどめている。真っ先に高館にのぼると、眼前に流れる北上川ははるか南部地方から流れる大河である。衣川が城を取り巻くように流れていて、この高館の下で大河・北上川に流れ込んでいる。泰衡たちのいた旧跡は、衣が関を間において南部地方からの出入り口をしっかりと固め守って、蝦夷の侵入を防いでいるように見えている。それにしても忠義の臣下たちをよりすぐってこの城に立てこもったが、その手柄は一時の間に消えてしまって、今では一面の草むらになってしまっている。「国が敗れ荒れ果てたが、山河だけは残っていて、誰もいなくなった城は、春であって草が青々と茂っている」という、杜甫の詩の一節を思い出しながら笠をちょっと置いて、時が変わるまで、涙を流したのであった。
      夏草や兵どもが夢の跡
   
<この城には、今は夏草が生い茂っていることだなあ。しかし、昔は義経や藤原氏などの武士たちが戦い功名を夢見て戦った、夢の跡なのであるよ。>
      卯の花に兼房みゆる白毛かな  曾良
   
<夏草の生い茂る中に咲いている卯の花を見ると、白髪を振り乱して戦ったという兼房の姿が眼前に浮かんでくるようだよ。曾良作。>

 
 ※ 現代語訳 土屋博映中継出版「『奥の細道が面白いほどわかる本 」中経出版の超訳より
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