瑞巌寺

陰暦 5月 9日（6月25日）		十一日、瑞巌寺に詣づ。当寺三十二世の昔、真壁の平四郎出家して、入唐帰朝の後開山す。その後に、雲居禅師の徳化によりて七堂甍改まりて、金壁・荘厳光を輝かし、仏土成就の大伽藍とはなれりける。かの見仏聖の寺はいづくにやとしたはる。

	十一日、瑞巌寺にお参りする。この寺の三十二代の昔、真壁の平四郎という人が出家して、唐に渡って帰国してからのちに、この寺を開山したのだ。その後に雲居禅師の徳による教えによって、七堂の甍が改められて、金箔の壁や装飾が光り輝いて、極楽浄土を成し遂げたような大寺院とはなったのだった。あの見仏聖人の寺はどこであろうかと心がひかれることだ。　　※　現代語訳　土屋博映中継出版「『奥の細道が面白いほどわかる本｣中経出版の超訳より


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