白河の関
陰暦  4月21日
(6月 8日)
 心もとなき日かず重るままに、白川の関にかかりて、旅心定まりぬ。いかで都へと便り求めしもことわりなり。中にもこの関は三関の一にして、風騒の人心をとどむ。秋風を耳に残し、紅葉を俤にして、青葉の梢なほあはれなり。卯の花の白妙に、茨の花の咲そひて、雪にもこゆる心地ぞする。古人冠を正し、衣装を改めし事など、清輔の筆にもとどめ置れしとぞ。
      卯の花をかざしに関の晴着かな 曾良
 朗 読


止
卯の花を かざしに関の 晴着かな (曽良)
うのはなを かざしにせきの はれぎかな
 落ち着かない旅の日々が重なっていくにつれて、旅を続けようという気持ちが揺るぎないものとなった。なんとかしてこの素晴らしい景色を都へ知らせたいと、機会を探したという昔の人の話も当然だ。たくさんの関所の中でもこの白河の関所は奥羽三関の一つであって、風雅に心をかけている人が心を寄せて和歌を詠んだりしている、有名な歌枕の地である。能因法師が詠んだ秋風を耳に聞いて、源頼政が詠んだ紅葉の姿を面影に浮かべながら、目の前の青葉の梢はやはりしみじみと感じられる。今は卯の花が真っ白に咲いていて、そこに茨の花が咲き加わって、まるで雪の中を越えていくような気持ちがする。古人、竹田大夫国行がこの関所を越えるとき、冠を被り直し、衣装を改め直したことなど、清輔の筆でも記し置かれたということだ。
      卯の花をかざしに関の晴着かな  曾良
   
<古人はこの白河の関を越えるとき、晴れ着を着て通ったそうだが、自分にはそのような晴れ着の用意はないので、せめてこのあたりに盛んに咲いている卯の花を飾りにして、それを晴れ着の代わりにこの関を越えることとしよう。曾良作。>

 
 ※ 現代語訳 土屋博映中継出版「『奥の細道が面白いほどわかる本 」中経出版の超訳より
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