冬の和歌  
   百人一首の中で、「冬」の和歌は全部で5首あります。出典は、古今集から2首、新古今集から2首、千載集1首、金葉集1首です。


田子の浦に うちいでて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ 山部赤人(やまべのあかひと)
生没年未詳、7~8世紀頃 
701年頃~天平勝宝年間頃
「新古今集」冬・675
かささぎの わたせる橋に おく霜の 白きを見れば 夜ぞふけにける 中納言家持(ちゅうなごんやかもち)
718年頃~785年
「新古今集」冬・620
山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人めも草も かれぬと思へば 源宗于朝臣(みなもとのむねゆきあそん)
9世紀末~939年 
「古今集」冬・315
朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪 坂上是則(さかのうえのこれのり)
生没年未詳~930年頃
「古今集」冬・332
朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木 権中納言定頼(ごんちゅうなごんさだより)
995年~1045年
「千載集」冬・419
淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に いく夜ねざめぬ 須磨の関守 源兼昌(みなもとのかねまさ)
生没年未詳。12世紀初頭)
「金葉集」冬・270