新勅撰和歌集
(しんちょくせんわかしゅう)


1235年


1374首


後堀河天皇
(ごほりかわてんのう)

●承久の乱の後、公家にかわって武家が台頭するという時代背景を映しだした第9番目の勅撰和歌集、20巻。
●政治的な配慮から99番・後鳥羽院、土御門院、100番・順徳院の歌を一首も載せず、承久の乱に関係した人々の歌を百首余り切り捨てたのに対し、93番・源実朝(25首)、北条泰時など、鎌倉幕府側の武家の歌を多く選んでいます。
●そのため、「宇治川集」(武士の歌を多く含む集)とあだ名されましたが、自身の入集は最小限の15首に抑えています。
●入集の多い歌は、藤原家隆(43首)、藤原良経(36首)、藤原俊成(35首)、96番・西園寺公経(30首)、慈円(27首)です。
●「新古今集」の妖艶華麗(ようえんかれい)な作風には批判的です。
●「姿すなほに、心うるはしき歌」とされるように、平淡・平明で優雅な歌風からは、老齢(74歳)となった97番・藤原定家が、優しい美を高く評価する意識の変化が読み取れます。
●「千載集」「続後撰集」とともに二条家の三代集と呼ばれ、二条家を主流とする中世歌壇の方向性を決定しました。



藤原定家

百人一首に納められた和歌 (全4首)