小督 |
京都の嵯峨野(嵐山)には、平家物語にかかわる逸話が残る地が3つありますが、ここではその1つの小督(こごう)の逸話が残る地を取り上げます。
平家物語の第6巻「小督」では、中宮徳子が、葵前を失い嘆き沈む高倉上皇を見かねて小督という女房を会わせます。美人で琴の名手の小督は、冷泉大納言隆房の恋人でしたが、上皇の愛を受けてからは隆房の誘いを断っていました。清盛は、上皇と隆房、二人の婿を小督にとられたと怒り、殺そうとします。嵯峨野に身を隠した小督は、上皇の命を受けた源仲国に、琴の音で探し出され、やがて姫君も生まれますが、清盛に知られ尼にされ追放されてしまいました。
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