農薬か無農薬か 私たちの生活と食糧生産
あなたは農薬必要派?それとも無農薬派?
    
小学校 社会 5年
 「やはり無農薬がよい」という価値と、「農薬もある程度はやむをえない」という価値の両方を含んだコンテンツを使うことで、子どもたちの思考を揺さぶることができる。この授業ではじめに、「農薬」と「無農薬」のどちらがよいかと問えば、ほぼすべての子どもが「無農薬」と答えることは十分に予想できる。しかしそれでは、「減農薬」に努力する人々の努力を浅く考えてしまう危険性もある。「無農薬がいい」と答えた子どもたちの思考をさらにもう一段揺さぶることで、「減農薬」や「品種改良」に努力する人々の願いにより迫ることができる。
 農薬必要派、無農薬派双方の意見を聞き考えることを通して、農業に従事する人々が環境に配慮しながら生産を高める努力をしていることに気づく。
害虫とのたたかい NHK学校オンライン「おこめ」内クリップ(1分31秒) 
 本コンテンツは、無農薬の有効性を示しながらも、その実施には労働力などの面から限界があることを示している。また、米が不作だった年について、「農薬を使ったからこそ被害を最小限に食い止めることができた」という立場の人と「農薬を使わないで健康な稲を育てないと薬は使っても意味がない」という立場の人の両者を紹介している。このコンテンツを活用して、両方の価値について考える機会を子どもたちに与える。
アイガモ農法の長所と短所 NHK学校オンライン「おこめ」内クリップ(4分9秒)
 アイガモ農法については、教科書や多くの資料集で扱われているものの、ほぼ肯定的な書き方であり、その短所に触れるものはすくない。本コンテンツは、アイガモ農法の有効性を示すともに、コスト面の問題、成長したアイガモが野生化して農作物に被害を与える問題を紹介している。それにより子どもたちの思考を揺さぶり、より深い思考を促すことができる。
主な活動 指導上の留意点

自分たちの今の考えを出し合い確認しておく。

・自分は無農薬でお米を作るべきだと思います。理由は環境にやさしいからです。

・自分は農薬を使うのも仕方ないことだと思います。害虫が発生したらまわりの田んぼにもうつるからです。

農薬は必要か、無農薬にすべきか、米作りを実際にしておられる方々の意見を聞いてみましょう。

コンテンツ1 「害虫とのたたかい」

・田んぼには様々な害虫がやってくる。

・手作業で害虫を追う作業は手間がかかり、米を作る量にも限界がある。

・イネドロオイムシ(稲の汁を吸って葉を枯らす)

 

自分の考えは変わったか変わらないか理由をつけて意見を出し合う。

・無農薬でも苦労しない方法にすればいい。

 

アイガモ農法についても考えてみましょう。

コンテンツ2 「アイガモ農法の長所と短所」

・長所

 安全、虫を食べる、雑草の芽も食べる、

 稲は食べない ふんは稲の肥料 

 泳ぐと田んぼの土がかきまざる

・短所

 費用がかかる(ひな、飼育の費用、囲いの網)

 アイガモ肉は食肉として売れ残る

 捨てられて野生化し農作物に被害

 米自体も販売の際、高値になる

 

自分の考えは変わったか変わらないか理由をつけて意見を出し合う。

減農薬を進める農家についての説明を聞く。

 

 

・始めはほとんどの子が無農薬がいいということが十分予想できる。それを確認できればよい。

 

 


    コンテンツ1 「害虫とのたたかい」

・2度再生する。1度目は全体を俯瞰させるつもりで見せる。2度目の視聴の前に、生産者の気持ちで見ることができるよう助言する。

 




コンテンツ2 「アイガモ農法の長所と短所」




2度再生する。1度目は全体を俯瞰させるつもりで見せる。2度目の視聴の前に、長所と短所をメモしながら視聴するよう指示する。

 

 

 

 

・かんたんに答えの出せる問題ではないことを押さえる。

・環境を守ることと生産を高めることの両者のバランスをとり米作りを行っていることを押さえる。

 

 授業場所   ■教室 □特別教室 □体育館 □運動場 □屋外
  □その他[     ]
 授業形態   ■一斉学習 □グループ学習 □個別学習 □補習 
  □その他[     ]
 ITを活用する場面   ■導入 ■展開 □まとめ □その他[     ]
 ITを主に活用する者   ■教員 □学習者 □両方 □その他[     ]
 ITを主に活用する目的   ■課題の提示 □動機付け ■教員の説明資料 
  □学習者の説明資料 □繰り返しによる定着 
  □モデルの提示 □失敗例の提示 □体験の想起 
  ■比較 □振り返り ■体験の代行 □その他[     ]
 活用するIT   ■コンピュータ ■プロジェクタ ■スクリーン 
  □電子ホワイトボード □実物投影機 □デジタルカメラ 
  □ビデオ ■インターネット ■デジタルコンテンツ 
  □CD−ROM ■スピーカー □その他[     ]