巴
(ともえ)
<登場する章段>

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 <プロフィール>
平安時代末期の信濃国の女性。字は鞆、鞆絵とも。「平家物語」によれば源義仲に仕える女武者。木曾四天王とともに義仲の平氏討伐に従軍し、源平合戦(治承・寿永の乱)で戦う大力と強弓の女武者として描かれているが、それ以外に同時代の記録類には名前が見られず、実在の確証はない。
<エピソード>
残り7騎になるまで義仲について来たが、最後の戦に女を連れていたと言われるのはよくないと何度も言われてたので、最後は鎧・甲を脱ぎ捨て東国の方へ落ち延びる。色白で髪が長く、器量も良かったが、「一人当千の兵者」として、大太刀・強弓を持って何度も手柄を立てたという。異本には、幼い頃より義仲とともに育ち、義仲と組み合っても少しも劣らなかったので、身近においたとある。長野県木曽郡木曽町にある「義仲館」には義仲と巴の銅像がある。また、巴は江戸時代に好んで錦絵(にしきえ)に描かれた。
 <名言> (生没年) 不詳
あっぱれ、よからうかたきがな。最後のいくさして見せ奉らん
<意味>
ああ、よい敵がいるといいなあ。最後の合戦をしてお見せ申そう。
巴は前方からやって来た御田の八郎の首をねじ切って捨ててしまうと、東国の方へ落ちて行った。
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