平 重盛
(たいらのしげもり)
<登場する章段>
1の9・11
2の4・6・7
3の1・3・11・12・13・14
4の6
5の10
7の19
9の18
 <プロフィール>
清盛の嫡男。 宗盛・知盛・重衡らの異母兄。保元・平治の乱で戦功を上げ、父の立身に伴って正二位内大臣にまで出世した。小松邸に住み、小松殿と呼ばれる。側近として平氏一門の中で最も後白河法皇に近い立場にあったが、清盛と後白河法皇の対立に有効な対策を取ることができないまま、父に先立ち43歳で病没した。
<エピソード>
「平家物語」では父清盛をいさめる良識ある人物として描かれる。亡くなった後も清盛や宗盛と比較される形で話の中に登場する。平家の棟梁(とうりょう)としての資質に欠けた弟宗盛に対して、重盛は「心もかうに、はかり事もすぐれて」と文覚が頼朝に語る場面がある。重盛に対する同時代人の評価も、「イミジク心ウルハシク」 ( 慈円「愚管抄(ぐかんしょう)」)など好意的なものが多く、優れた武人であるとともに、情に厚く、穏和で気配りのできる人物だったことがうかがえる。ただし、殿下乗合事件は、清盛ではなく重盛の所行らしい。
 <名言> (生没年) 1138〜1179.7.29 
痛ましき哉不孝の罪をのがれんと思へば、君の御ために既に不忠の逆臣となりぬべし。
<意味>
痛ましき哉不孝の罪をのがれんと思へば、君の御ために既に不忠の逆臣となりぬべし。
後白河法皇への忠孝を貫こうと、重盛は涙を流して父、清盛をいさめる。
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