百人一首クイズ3  <恋編A> 解説 Close this page

恋編Aの和歌クイズ、できましたか。おさらいをしておきましょう。

番号 解 説
 山鳥はキジ科の野鳥で、雄は全長120㎝前後で、自分の体より長い尾を持っています。そのため「長いこと」を表す時に使われます。山鳥は、昼は雄と雌(めす)が一緒にいて、夜になると峰(みね)をへだてて別々に寝ると考えられていたので、恋しい人を思いながらひとり寝をする時の表現に使われました。
 細かった川の流れが峰から里に下るにつれて太く強い流れになり、やがて深い淵となる様子と、恋心が次第につのっていく様子を重ねあわせて表現しています。陽成院の恋の歌です。
 あこがれていた陸奥(みちのく)の景色を楽しむため、屋敷の庭園を陸奥の塩竃(しおがま)の浦そっくりに作りました。毎日難波(なにわ)の浦から海水20石を運ばせ、塩を焼かせ、藻汐(もしお)の煙の立つ夕べのわびしさを鑑賞したそうです。
 平安時代、夢には特別の意味がありました。自分の見た夢で吉凶を占うことも普通に行われていました。恋する相手が自分の夢の中にたくさん出てくるほど、相手が自分のことを好きなのだ、と思われていました。
 「難波潟みじかき芦のふしの間も あはでこの世を過ぐしてよとや」という伊勢の歌は、難波潟に生える芦の、節と節の間ほどの短い時間でさえ逢ってくれない男を恨んだ歌です。 
 澪漂は船の通り道を示すために立てた標識の杭(くい)です。港や河岸の深いところに立てます。大阪市の市章になっています。
 陰暦の9月のことです。菊月ともいいます。、「すぐに行くよ」という男の言葉を信じて、秋の夜長を待ち続け、夜明けまで空に残っている月を見てしまったという歌です
 「さねかずら」はもくれんの仲間のつる草で、昔は茎を煮て整髪料を作ったので、美男葛(びなんかずら)と呼ばれていました。「逢坂山に生えているさねかずらのつるを巻き取って引っ張れば、ツタの先に恋しいあの人がついてきたらなあ」と歌っています。
 和歌において、ある言葉を導きだすための、前置きの言葉を序詞と言います。枕詞と似ていますが、枕詞は五音が原則で、「あしひきの→山」というように固定的な語句をいうのに対して、序詞は枕詞より長いのが普通です。また決まった語句があるわけではありません。
10  定家は、朝に別れる恋人の心情を詠んだものと解釈しました。「暁」は今の午前3時から日の出までの時間帯です。その時間は、女性のもとから男性が家に帰る時刻でもありました。
11  「人」とは永遠の愛を神に誓いながら、自分を捨てた男のことです。平安時代には、誓いを破ったら罰(ばち)があたって命を落とすと信じられていました。神罰を受けて命を落とすあなたの身が心配なのですと詠っています。
12  浅茅生とは、浅く(まばらに)、茅(ちがや)の生えている場所のことです。茅は笹のように細い葉が生える植物で、昔はご飯をこの葉で巻いて携帯したので「茅巻(ちまき)」という名前がつきました。
13  兼盛 の「しのぶれど色に出でにけりわが恋は ものや思ふと人の問ふまで」が勝利しました。どちらも名歌だったため、判者が困ってしまったのですが、天皇が兼盛の歌を口ずさんだことで勝ちとなったといいます。それを知らされた兼盛は、躍り上がって喜んだそうです。
14  技巧の冴えた兼盛の歌に負けましたが、歌合の判者だった藤原実頼も「右(忠見)の歌、はなはだよし」と心の中では思っていたようです。後世、飾らない素直な詠みぶりの忠見の歌をほめる者が後を絶たなかったといいます。
15  誓いを破り心変わりをしてしまった女性に対して、「あんなに固く約束したのに」と責めながら、どこか悲しげです。「あの誓いを思い出して、もう一度戻ってきてほしい」という切ない心の声が感じられる歌です。