垂園森 哀園森
(たれそのもり・あわれそのもり)
場所

伊賀市市部
関係歌・作者
●「われならで たれ其森の玉櫻 たまさかにもや 色にそむべき」(35番・紀貫之
●「
小夜更けて たれその社の ほととぎす 名のりかけても 過ぎぬなるかな」(86番・西行法師
●「
うつせみの かりの此世に 住ながら なくねそうすき あはれその森」(86番・西行法師
●「
秋過ぎて あはれをもらす あはれその 森のしぐれを 袖に知るかな」(12番・僧正遍照
由来
13世紀前半の順徳天皇歌論書「八雲御抄」や清少納言の「枕草子」九十六段に「森は、大あらきの森。しのびの森。ここひの森。 木枯らしの森。信太の森。生田の森。たれその森、」と記されていた和歌の名所です。当時、森は各地で和歌の題材とされました。垂園森は四方を開かれ、遠くからも望まれる美しい森であったようです。